ベン・シャーン

展覧会にゆく。

ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト
――写真、絵画、グラフィック・アート
Ben Shahn : Cross Media Artist / Photographs, Paintings and Graphic Arts
http://benshahn2011-12exh.info/

ベン・シャーンの作品で強烈に覚えているのが、きょうだいの誰かの美術教科書に載っていた、瓦礫の山の上、ひどく不安定な遊具で遊ぶ無表情な子供たちの絵。
妙に心にひっかかって、色合いも構図も何もかもがお気に入りだった。
どうやらこれは、ニューヨーク近代美術館蔵の『解放』という作品らしい。

会場にいると、心穏やかになってゆくのがわかった。
このひとの描く世界は、不安さや不吉さとユーモアのバランスがとてもいい。
線のゴリゴリした強さも好みだし、パースの付け方も独特だ。
社会に対するシニカルさと、生き物への温かい目線が同居している。
初期の主張の強い社会派の作品よりも、街角のアイス屋さんや、牛や蛙をスケッチしたものの方が好きだな。独自なスタイルのレタリングもおもしろかった。

最後のコーナーには、第五福竜丸事件を扱った作品が。
『福竜丸』=『ラッキードラゴン』だなんて、なんて皮肉なこと。

絵本を購入。

ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸

ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸