記憶装置。

おてんとさまのご機嫌わるし。

低気圧はきらい。
寒くて 重い。

白いモフモフにくるまって眠りたい。

神楽。狐。キツネ。コーン。
油揚げ。イタコ。いたっこ。

絵描き。
わたし。

お習字。
編み物。

墨と朱。

雪に散る 鮮血と
かき氷に散る毒々しい いちごシロップは
同じかもしれないな。

白い真綿のファーに散る
きらめきスパンコールも
陶磁器の肌に刻んだ
スカリフィケーションも

同じかもしれないな。

気温が下がると人肌恋しくて
缶コーヒーとあったかい猫と優しい恋人と
どれがいるのだい?と問われると

どれも素敵ですけれど
今は只
熱い湯を頂きとうございます、と。

丁寧に髪を洗い肌の汚れを落とし
ぬくぬくになって
ぽかぽかになって
さっぱりと
出てきとうございます。

初めて他人に触れたときの違和感と
愛情ありきの体温確認は
まったく違うのに
感覚を所有する脳味噌は同じで

何が違うの、って子供の自分に聞かれたら
他人の心臓とどこまで近づきたいと思ったか

きっとそういうところだと思うんです。

納得できますか?>子供のわたし

誰かに届くまでの
距離を短くしたがる。

地を離れて飛ぶまでの、助走。
の角度、とか
その間に見えた風景、とか
鼻孔に付着する花粉の一個一個を

全部圧縮してCPUに詰めてやるわ

ねえ、記憶装置。

アイアンメイデンを見ちゃったような
コルセット締め過ぎて死にましたアントワネット
みたいな
巨大な拷問装置に通したフリル
みたいな

この記憶はどこまで続くのよ。

茨の冠の姫君が
永遠に踊る赤い靴の足を切り落とされた女の子が

ボロボロのシュミーズに血を流して
踊り続ける巻き毛のリキが

脳裏にこびりついて、落っこちてくれない。

鉄板で焼いたあとの焦げ焦げを落とすように
油をさして
ひとつずつ丁寧に
生まれてくる
歯の生えた子供。
LTMとLTS

想起(検索)ー人間google

バタフライ効果


中世の拷問器具で
「恥辱のマント」ってのがあるらしいですが
だれかしらんかね?

人間 記憶 装置。