茸日記
飯沢キノコウタローさん、もとい 飯沢耕太郎さんから
拝み倒して頂いた「茸日記」が届く。
自費出版の詩集。
サイン。嬉しいな。
まつげがしっかり付いてる。目がパッチリした女の子だね。
浮遊するベニテングタケの女の子。
開いてすぐ。
3頁目。
「キノコを摘む ヘビイチゴを摘む」とある。
飯沢さんは3月26日生まれで、わたしは4月28日生まれ。一ヶ月と二日後から産まれてきた。
3×2=6
4×2=8
とてつもなくドキドキする。
この方向でよかった、同じだった。
菌類、そしてヘビイチゴ。
思わず、MP3レコーダーを手に取り、朗読して言葉を噛み締める。
活字が、洪水になって髪の毛の先っぽから逆上がりしてくる。
指が目が
ハイエナのように巡回する。
どこかで出逢ったはずの、この懐かしい体験。
頁と頁の間にそっと顔をうずめてにおいを嗅ぐ。
ハナタケの手術をしたんだっけ。
復活した嗅覚が捕らえるのは
女の子の甘い香り。
男の子の切ない香り。
汗のあと。
紙とインクの間に産まれた言葉の赤ちゃん。
もう少し、描けそうだ。