モブ指数

情報量が多いと混乱する。
ゆえの防御策。

学芸会なんかで緊張をおさめるために
「お客さんはジャガイモだと思いなさい」と大人に教えられたのを思い出しつつ記述。


人の集まる場所を通過するとき、
または多数の人間に一度に遭遇するとき、
「モブ度」、「モブ指数」なんて言葉を最近使っている。

視線は、カメラ。
神の目線。

海の中の魚の群れを想像して欲しい。
一個体は小さいけれど、群れになった途端に集団で意思を持ったかのように向きを変え、うねり、泳ぐ。

そのうねりの中に単体で浮遊するクラゲ、のったりと漂うコバンザメ。


空間をソリッドとして捉え、1単位を1モブというキューブで数える。


新宿駅東口、信号ですれ違ったモブAの集団が右手に。
左手にはモブB、B'が連続してカメラを追い抜いてゆく。

モブ度の高さ、本日のモブ指数、自分自身のモブパーセンテージ、etc......

様々に流用可。

雑踏の中から知り合いを見つけたとき、つい一瞬前まで「モブ」だった背景から一品料理が飛び出して来る。

そしてまた一人になって街に溶ける時、わたしもだれかのモブになっているはずなのだが、最近気配が消せなくて困っている。