同じことをしても疲れない人がいる。

疲れたら疲れた分だけお金が入って来ないかな。
いつかまた手術が入る日に備えて
働かせてしまっている家族に対して
命を救ってくれた親戚たちに対して
今はまだ逢えないけれど、いつかまた逢いたい人に対して
恩返しがしたいよ。

そういう年齢になったと思う。
少しは大人になったのかな。

後世のことを考える。

失った健康は取り戻せないし
人の気持ちも買えないから

わたしがだれかにあげられるのは、やさしさだけだよ。
やさしさがなくなったら、だれか教えてね。
せっかく笑えるようになったから
絵も少しずつ描いてるから
また描けるようになったから

体が動かなくても
だれかに想いを伝えられるなら

皮膚の温度とか、握手したときの質感とか
寒い日にもらった暖かい缶の想い出とか
幼い日に抱えた膝の頼りなさとか
お弁当を食べる相手がいない心もとなさとか

「あなただけじゃないからね」、って。

いろんなところで
ちょっとずつもらった
だれかのこころのあたたかさだけは
忘れないようにしたいよ。

いつかいなくなる日までは。