スクールガール・コンプレックス

スクールガール・コンプレックス SCHOOLGIRL COMPLEX

スクールガール・コンプレックス SCHOOLGIRL COMPLEX

スクールガール・コンプレックス SCHOOLGIRL COMPLEX

知人写真家の青山裕企さんの最新写真集です。

わたしは女子です。
元女子高生です。
制服を着ていました。
どこにでもいる、女子高生でした。
どこにでもいるけれど、「女子高生」という記号を背負っていました。
いやおうなしに、自分が「制服で女子の高校生」というブランドに所属していることを知っていました。

丈を短くしたスカート、黒いハイソックスやルーズソックス、アイロンをかけたシャツ、
胸元の少しゆるめたリボン、膝小僧に被せてしまう体操着。

忘れていた視線。
けれど、ずっと持っていた視線。

黒板に向かう時、電車に乗る時、目の前には常に
白いブラウスからうっすら透けたブラジャーの紐や
スカートと靴下に挟まれて細胞が跳ねているすべらかな膝の裏がありました。
それを日々眺めつつも、自分もまたその一員であることを感じていました。

集団性を帯びたときの生態系として「女子高生」は、当時のわたしにとって、大きな職業でした。

この作品集におさめられている写真は、
そんな制服女子への恐れや憧れ、微妙な距離感や視線など
徹底したフェティシズムを記号化し、少しばかりのユーモラスな非日常をトッピングしたものです。

制服を脱いでずいぶん経つけれど、同年代男子からの視線を、今やっと確認しました。


ちなみに
女子として購入するには、眩しくて恥ずかしくて、それでも抗えない力があって
ああ、これは人生初のエロ本購入体験かもしれない、とドキドキしました。