川の底にある闇んとこ


99年。水彩、ダーマトグラフ、二十歳。

家の前の川に入って
日中は水彩絵の具でキラキラをした水面を描くんだけど
夜には真っ暗で何もないそこに飛び込んでた。

昼間でも川底には闇の部分がチラホラ見えて
「ああ、あの岩の裏は仲間だな」と思っていた。

本当に危ない場所はやっぱり在ってさ、水流とか気の流れみたいなのとか急に水深が深くなるとかで
本能的にいろいろ察知して近づけないわけ。

夏の昼、金色の光をあびて蛇が川を渡っていたっけなあ。