ゆめをみた

Okamoto_Makuzu2008-09-14

3トントラックピンクの象さんに押しつぶされる!
小僧の膝にはなにもない!
水の奥の川の側のいつものあの坂道を下った電灯のない場所で
いつかの夢で母が死んで父が惚けていた背中の悲しいあの場所で
彼の前で泣いた女の「もっと早くに出逢っておけばよかった」
嗚呼彼の愛妻の腹にはもう小さな命が宿り
今週末には生まれ出づらんとす!
女はただ泣く 
そして
声をあげず叫ばんとす!
「流れたらよかったのに」
なんて酷い!
女はしゃくり上げ自分の腹に殺意をそっと仕舞う
赤児は愛妻の腹に
殺意は愛人の腹に
然しどうして彼は愛を注いだ 火の粉の中に!
「コーラで洗えば大丈夫なんだって」
ブラウン管の奥でけたたましく笑う安いキャラクターの甲高い声が脳裏につきささり
ノイズの中でRGBが混じり白くなる。
その脇に自警団のおじいさま方が奥の森の土の下から這い出て
水をじゅんぐりに渡ってはこちらにやってくる。
「火事だ!」「火事だ!」
嗚呼燃え上がるのは我が家の書架ではないか。
水道をひねり3人掛かりで消火すれど消火すれど
現れては絶ち消えるにっくき橙色!
今!
そこに!
あなたがいたじゃあないか。
びしょびしょのビニ本片手に
「もう読めやしないね」って
笑って現れたではないか!
あれは黄泉か。
川べりにたたずむ女はわたしで
鬼の仮面を冠った菩薩であったか。
成る程、脱衣婆は現役ストリッパーであった、と!