犬に説教しようとして未遂〜その1〜 

こないだからご近所のワンワン(犬)がうるさい。

特に夕刻から夜にかけてのワンワンのワンワン具合ったらもう!
遠吠えなんていう叙情性のあるものではなく、
ただひたすら、負け犬が噛み付くようなけたたましいアレ。

仕事をしようとしたら右前方からワンワカワンワン。

ちょっと一息入れようと思ってもワンワカワンワン。

せめて猫だったら。

威嚇する声、子猫の声、繁殖期の雄猫の声。
一通り真似られるので鳴いてみるものの。

本日は雨である。
人間様がお外に出るのも億劫な日だ。

こんな日も、ワンワンはワンワンシテイル。

もう堪忍ならんと思い立ったが吉日、勇気を出して
ワンワン、もしくは
ワンワンの飼い主に
苦情を言いに行こうと外出。

......いない。

暗闇の中、雨の中。

迷路みたいな住宅街。

ワンワンの声はどこにも聞こえない。

同じエリアをぐるぐると回って帰って来る。

ワンワン、いったいどこにいるんだい?
 
わたしはまだ きみの姿を見ていない。