チョコレートな足かせ

かつて
風景構成法をしたことがある。

「あなたは美術をしている人だから、『うまく』描いちゃう」と
そう言われた。

そして中断された。

箱庭療法に使うたくさんのミニチュアを見て
「やってみたいです」と申し出た。

却下された。

描き方を知ってても
作り方を知ってても

それを再現できる、という状態がそのままその人の心を写しているのだから

やりたい人にはやらせとけばいいじゃない?と
今は思う。


カウンセリングっていうのは
資格をもった他者とのコミュニケーションの時間で

「この50分はあなたが好きなことを思いつくままに話す時間です」

なんて言われる。

要は聞き上手なプロ相手におしゃべりの時間。

人に想いを打ち明けることは非常に勇気のいることで

それをした後のカタルシスのようなもの
デトックスのようなもの
きもちよく排泄できたときの感覚

ああ、それだったな、とそう思う。


  今は乗り気じゃないから描かない。

そういう自由さが欲しい。

チョコレートな足かせってのは自分でつけてるもんだよ。


絵を見れば生き方がわかる。