ゆめをみた

あっちにいってきた。

もうね、本当にあっち。黄泉。
死んだ人が呼ぶんよね、
別に怖くないよ。

ちょっとおでかけしてくるだけだから。


なんかね、呼ばれて。
高架橋みたいなところを走ってて。何かに乗ってて。
ビルが見えるわけですよ。
空は東京だったなあ。
で、花火とか微細なところまでクッキリ。
世の中の打ち上げ花火が全部上がった、かのような
線香花火のシューっとした光のところまで全部上に上がってるのが
クッキリ見えて。

こんなにたくさんの花火をあげようとしてるんだねえ、
上がっちゃってんのねえ、と。

下校中の同級生たち(中学生とか高校生とか)とすれ違って
何人かが
「じゅんじゃない?」
「じゅんだ!」
「あー、じゅん!」
って声をかけてくれるのが嬉しくて
「大丈夫だよー、じゅんは帰って来るよー」
って大声で手を振り返した。

Bは確実に居たから、だれかBに逢ったら
じゅんが逢いたがってたって伝えておくれ。
窯元を継いでるかな。

あと、Aちゃんね。やっぱり大声で目立ってたよ。
いい笑顔でした。

BとAちゃん、ありがと。


地元の中学の横にコンクリート工場があって
その川の前の山は毎日午後きっかりにハッパがかかってて
サイレンの後に爆破をかけて岩がゴロゴロっと落ちてくるのね

採石場なわけです。

で、よくそのあたりの風景が出て来るんだけど

あの川はやっぱりなんかあるんだわな。


つげの櫛を薦めてくれたYちゃんが
こっちのひとなのかあっちのひとなのかわかりかねた。
色白なところに白い着物で銀や赤をさしているのがいっそう肌の白さを際立たせていた。

偉いひとたちと行動を共にして
偉いひとはもう銅像が立ってたりするわけです、なんせ、偉いから。

お車のお迎えがきて、わたしはこぼれちゃったから人力のサイドカーみたいなのに乗ってるんだけど、途中で犬になるの。

犬に乗って山道、あぜ道を走ってて。
たぶんミリア(幼なじみの家で飼ってた死んじゃった犬)
警察犬。シェパードだっけ?

で、橋の上から
車に乗ってた人が横転して
みんなびしょびしょで昇ってるのが小さく見えて

犬組はそのまま水を渡ったり塀を昇ったりして
とある水門の向こう側に行くのよ

きれいな白色の画用紙が下をいっぱい流れてて
幼稚園のクレヨンがあって。

みんなちかくまで来たんだけど
その塀を昇ってこっちに来ようとしないの。

だから、
昔作りかけたらしいフェイクのクッキーみたいなのを手に取って
(そしてそれは人の手の熱を感じた瞬間にぐんにゃりと溶けるのであった)

生きてるってことはね、生きたってことだよ!
こうやって形が変わっても、あんたたち
生きたんだよ!

って叫んでた。

銅像でもなんでも、あんたたちが生きた証拠でしょうが、あれは。

って。

えらいひとたちはなんだかうなだれてて
もじもじしてたんだけど

伝わったかな。

生ききったかどうか。
なんですよね。
後悔せずにね。

棚の中にたくさんいろんなものが並んでて
やっぱり絵の具があるところは光ってて
手を伸ばしたらふんわり飛沫が
水に散った、12色の。



そんなわけで。

あっちにいったりこっちにきたり大変です。

なんだかの公募で
ぬいぐるみ?に
背中からアートネイチャーでたてがみを生やす
人がいて
蛍光塗料だかガラスの粉を散らせて作ってるんだけど
アナウンスが「細々と家業を継ぎ、主婦を続けながら念願のデビュー」とかで。

元気があっていいねーって思った。


ええっと、それから地元の喫茶店というかスナックというか
トラックの運ちゃんが寄るようなところね、
すごくお洒落な店になってて
海外からの渡航者も外でランチしてて
昔うちに来てたオーストラリア人のフィオーナを思い出して
声をかけて

ヒッピーファッションがどうこう、とか話して
中で一緒に食べない?って聞いたら
サンキュー、でもI prefer こっちのスタイル って言われて

ああ、preferって言葉があったね、と。

他人のスタイルを無理に変えちゃいけないよね、と改めて。

メニューは
ベイクドポテトのついたダブルなんとかセット にして

4人くらいで集まって食べるらしいんだけど
まだみんな集まってなかったね。