今日の一曲

Pavane pour une Infante defunte:RAVEL Fujiko Hemming

亡き王女のためのパヴァーヌ

姉の命日でした。

父は職場の裏のコケモモを
わたしは火葬場の横の紫陽花を
それぞれ思い出すようです。

先日、母と逢いました。
「あの子のことを大切にして、覚えててくれる人がいるんだね、ありがたいことだね」と
少し涙ぐんでいました。

お世話になった先生は、白百合のような人だと形容してくださいました。

お世話になった学者さんは、美しく聡明な人だと形容してくださいました。

お世話になったお坊さんは、「月を探し、才に優れた人」という意味の新しい名前をくださいました。

本が大好きだったね。
本ばかり読んで、気に入った詩をノートに書き留めていた。

一緒にヒースを植えたっけ。嵐が丘の真似をして。

ペタンコの胸も赤毛もソバカスも華奢な骨も、もうここにはないんだなあと思うとやりきれないですが、
遺された者はそれぞれの人生を、前を向いて生きています。

存命だったら、今、35歳です。

彼女の幼稚園からの同級生、後安美紀さん、
もし気づいたら、ご連絡をください。

彼女の弟は仙台で学者として、末っ子の妹は東京でアーティストとして頑張っています。


亡き姉の友人たちと、苦しかったときにわたしを支えてくれたたくさんの人々に感謝します。


2009年6月19日

まくず こと 岡本淳子 拝