第一回帰省

「行ってきます」の挨拶が出来るようになったので
帰省とする。

とんぼ返りの強行。

帰る場所など無いと言っていたけれど
待っててくれる人はいて
こちらが目をつむっていただけだった。

会いたかったひと、また今度。

会いたかった絵、また今度。

会えなかった景色、また今度。

また今度。があることにありがとう、って言いながら
自分の樹を探しに都会のジャングルへ戻る。

墓標は樹に刻むのだとフィンランドの写真集から教わった。

肌がチリチリ焼ける感触。

暑くても寒くても。