わんわん泣いた
うそ。
わんわんは泣いてない。
涙もろいだけ。
この季節、この天候はだめだ。
起きられない、けだるい、集中力が続かない、腰痛、気分が悪い、エトセトラ。
死んじゃった女の子たちよかったね、というラクガキをする。
もう苦しまなくていいもんね。
思い出すに、Aの幼稚園の初恋の相手の女の子って、水死したんじゃなかったかな?
わたしの田舎ではそういうことがよくあった。
水遊びをしていた子供が溺れる。
山で工事をしていたおじさんが山崩れに遭って、数百メートル落ちて亡くなる。
いじめられた中学生が、卒業式のあとに学校を全焼させる。
悲しい土地だった。
土地に宿る悲しみと共に生きると、若者らしさとか未来とか青春とか、そういったものとは縁が薄くなる。
エナジーライトをひっぱりだす。
もう一冬、生き延びられますように。