雪の女王〜カイとゲルダ。

「休むことを頑張る」
「頑張らないと休めない」

いつのまにかそんな生活、そんな時代。

なにか間違っている、なにかおかしい。
生き物として矛盾している。


ずっと目をつむって静かに眠りたいと思ったことがあった。
その物語の主人公は、自分で自分に魔法をかけちゃった。

笑わないように、怒らないように。
泣いたりしないように。

だって子供っぽくて恥ずかしいことだから。
そう思ったから。

全部の感情を、フリーズドライのパックにしてしまった。

もう何年も前のこと。


自分で自分に魔法をかけたら
氷が溶けなくなっちゃって
なにも感じず
なにもおこらず
ずいぶん長く時間が止まっていたけれど

誰かが流す
あったかい涙で

すべては春を知り始めた。

気持ちが動くということが
何よりもたいせつなんだね。