お菓子と娘

大丈夫であるように-Cocco 終らない旅-(初回限定盤) [DVD]

いま、これを見ています。

ふいに襲われた悲しみに負けないために
ただ生きているその事実をまっすぐに受け入れて、呼吸が出来るように、見ています。

人生で初めて見たライブというのが、Coccoが活動を休止する前の武道館でした。

ザンサイアン、きらきら。
どちらのツアーでも、寄せ書き隊というのをやりました。
ファンの有志で、こっそり企画をあっためて。

米子の会場で初めて短冊の布を見て、願いを書きました。
ひめゆりの風を次世代に必ず繋げるから、って書きました。

その間、ずっとずっと
いろんなことがあって
受け入れたくないことも受け入れなきゃいけないこともあって
知らないことにごめんなさいして、ありがとうして、
書けないことがいっぱい。
とても言葉にできない想いがいっぱい。

六ヶ所村、沖縄の基地、ひめゆりのおばあたち。広島、長崎、神戸。

わたしは新幹線で移動することがたくさんあるんだけれど、新神戸駅を通過するとき、いつも黙祷します。

あの不可避の災害を、隣の岡山県で経験しました。自分は死ぬのかもしれない、と思った。
そういう揺れでした。
１５歳でした。

学校から帰ったらテレビがついてて、見たことの無い廃墟がヘリコプターから映し出されてました。
その時点で死者千人。

なすすべのないことに、自分の無力さに、
隣の県で起こっているおそろしく大きな、見たことのないことがらに、ただただ、無力さを感じていました。

岡山を出て、色んな地方、色んな国の人と接して、大事なひとの命を失った人にも会いました。
余りに辛く、口にも出来ないこともある。
わたしにもある。

でも、少しずつ、外に出して行こうと思っています。

それがただひとつできる、自分への正直な行いで、苦しむひとにあなただけじゃないと伝えるチャンスで、

「お菓子と娘」を歌いたい。

女の子はお菓子が好きで
お洒落が好きで綺麗でいたくて
お姫様になりたかったり乙女でいたかったり

そんな当たり前の気持ちが守れない世界はいやだから、

優しい、カワイイ、きれい、おいしい、甘い。

全部キュッキュと気持ちを込めて、また明日の糧にしたいと思います。

見終わったらどんな気持ちになるんだろうか。

絵に何ができるかわからないけれど、
わたしの絵に何ができるのかわからないけれど、

「へびいちご新聞」に込めている想いは、とびきりの優しさにしたいと思っています。