お花をよっつ。

ねえ、きみ。
わたしがかつて住んでいて
いまきみが住んでいるあの街で
火災がおこったね。
きみは、ぶじだった?
こんなことを書くとふきんしんかもしれない。
だけども、安否をたしかめたくなったんだ。
きみは、ひょっとしたら絵を描いていたから、ぶじだったのかな?
わたしはあのお店に何度かお世話になったことがあるんだよ。
厨房で、おいしいごはんを出してくれたおじさんが被害にあったのだとしたらとてもつらいし
突然のことで、げんばは混乱ときょうふにおそわれただろうけれど
わたしはあの味を食べたひとりだから
おいしかったです、ありがとう、って伝えたいと思うんだ。
こんどあの街に行ったら
ごちそうさまのあいさつをさせてくださいね。

おせわになった街に、
わたしをくるんでくれた街に、
いま君がくるまれている街に、
ありがとう、ごちそうさま。

お花をよっつ、今度はかきそえようと思うんだ。
枯れないお花をね。