猫が書いた本
いつだって優雅で愛されて自信に溢れているおたくの猫ちゃんが、常日頃どんなことを考えているのか、唯一調べることができた本。
なんせ著者が猫ですから。
賢い愛猫家なら、すでに彼らの巧みなやり口に喜んで騙されて
立派な召し使いになっていることと存じます。
「まだほんの子猫のとき、母を亡くすという不幸にあって、」で始まる一文には
だって私は頭もいいし、顔だって悪くないし、気力にあふれ、自信もあったんですもの。
と繋がっています。
驚いたことに、これにそっくりな文章をわたしは読んだことがあります。
それは、オノ・ヨーコ氏の自伝的な本。
私は美人で、頭も悪くないし、身体もいいし(中略)自分では何もコンプレックスを感じていない。
猫は、人間の雌であるところの女性にそっくりだ。
しかもひとりで生きる、前向きで独立心の旺盛なタイプに。
昔一緒に暮らしていたシャム猫のギイコは、近所のお金持ちのおうちを別宅として持っていました。
野良出身の迷い猫としてフラリとうちに住み着いた彼女が、どんなに困難でひもじい状況をくぐり抜けて来たかは推し量る術もないけれど、きっと彼女なりの知恵を存分に働かせて生きたに違いない。
ひょっとしたらこの本を教科書としていたのかも。
巻末に大島弓子さんの漫画があります。
- 作者: ポールギャリコ,Paul Gallico,灰島かり
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/12/01
- メディア: 文庫
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