ゆめをみた

二階と見えて一層分は移動する上の世界は、言葉も違う異国。

急斜面の山、葉の落ちてしまった冬の白い幹、足場を確保しながら上り降り。
そこいらの枝にはこれまで買ってきたカバンがいくつもぶらさがっている。

上の異国では東洋風のベランダから大きな川が見える。
帰省で帰ってきた子供たちが水着で飛び出し、いたるところで泳いでいる。
あの中に入りたいなあ、と思うのだが、いかんせんここでは異国人であり、大人でもあるので我慢する。

熊が病院に搬送されている。
病院の個室に住居をかまえようとしたら、同じ病室に患者として熊が来るというのでてんやわんや。
おいしそうなものは隠す、とか。
なんせ相手は熊。

夕陽の差し込む和畳のある部屋、かつての美術の先生、駅の改札から登校して来る生徒たち。朽ちた林檎。
デッサン用に削り損なった黒い鉛筆の束。

寂しさと郷愁とエロスの間。