三億年前に何があった?
クイズを出され、一番と三番で迷う。
大陸のプレートの移動、気温の温暖化、恐竜が跋扈、ニンゲンが出てきた時期。
そんなキーワードで回答を迷っていたけど、起きて調べたらまだまだ氷河期だった。
三億年前のこの星のことなんて、ちっとも知らないんだ。

五歳くらいの自分に出会った。二度。
周囲より頭一つ大きくて、ぼんやり不安そうな顔で人見知りで。
名前を呼びかけて、お姉ちゃんと目の形が一緒だよ、と話しかける。
手をひき、いつもかけっこで置いていかれる運動場から、映画館へ移動。時空を越えて本人同士が出会うのは、SF的に不都合なのかとも思うけれど、目の前の頼りない女児を放って置けるはずもなく。
この子の気持ちもこの子の記憶も、わたしは知っているんだ。

数日前。

猫を二匹連れて避難する夢。

それから。

電脳都市。駅前の看板からすべり落ちたらセーラームーン。90年代のデコラみたいな格好で、大学の課題を出す。ネオンカラーの毛糸の帽子、CGキャラのマグカップ。課題は、マリオのゲームプログラムを書き改めたもの。
君のは情報が多すぎると言われる。悪くはないから研究室に貼ってあるけど。
院生たちと同乗して山梨の奥まで車で移動。この道路を図面に引き直すのが次の課題。
緑の向こうには、ヘドロとゴミに覆われた工業地帯。高架線の下。長靴。
近くでキノコ雲が上がり、すわ原発かと身を強張らせると、向かって左側に油田。
整備中の電車の中を通って前へ前へ移動し、行き止まりの高い壁をハシゴで登って小さな窓を開けると、向こうは一面の雪景色。ペンギンやシロクマやイエティが冬眠する、静かな冬の森。