ゆめをみた

「お母さんかお姉さんを亡くした人にあげる」
そう言って彼女が髪に挿してくれたのは
金色のアマランサスの葉の髪飾り。
幾粒かの赤い実が、束ねた葉の中心に艶めいている。
バレエ式のおじぎをして、ありがとうと言ってみた。
すごくすごく辛い日も、耐えられないくらい気が重い日も
彼女に触れて、声を聞いて、
自分の体にどくどくと血が脈打っていることを思い出す度に、
綺麗なものや綺麗なことや綺麗な気持ちが存在することを思い知る。
そうして、息を吹き返す。