虚空の虫

どうも。
わしは、ひとの虚栄心を喰うて生きておる虫です。


おいしい、おいしい。虚栄心、おいしい。


だれかのこうまんちきな気持ち、大こうぶつ!!
みのほどにあわないプライドのたかさ、
においたつその弱さ、
ぜんぶわしがくうたる。

むしゃむしゃむしゃ。


わしの目はブラックホール
なんにもない
なんにもうつさない


ただひたすらにむしばむ
だれかのよこしまなきもちを
食うて喰ろうて食い尽くして
それでも足りなくて
次を探して


あっちからこっちまで
しゃくとり しゃくとり、しております。


おおきさは、0.1ミクロン
脳味噌のかたすみから
毛穴の一つから
はいだして、からだじゅうなめまわし
おごったきもちのあんさんに
栄養をたくさんもろうて
やがておおきゅうなりますのや。
そんで、やがては銀河系ひとつをまるのみ
しますのや。


よろしゅうに。
それまで、宇宙をおおいつくすまで
わしの栄養を作ってくださいな。


わしの目はブラックホール
なんにもない
なんにもうつさない


わしは
虚空の虫。