荒木経惟氏の写真について考察〜その1〜
考察というほどおおげさなものではありませんが、先日写真評論家の飯沢耕太郎氏に御会いする機会がありました。
略歴を調べていったところ、同じ大学にいたとのことでしたので、少し大学のお話なども。
筑波大学芸術専門学群というところにいらっしゃる西川潔先生が、わたしたちの師事していた方でした。
飯沢さんとわたしは親子ほどの歳の差がありますが、実にフランクで楽しいお方で、すぐにフアンになりました。
西川先生はデザイン界ではなにやら重鎮なのですが、キツかった学生生活のうちで、何かと生き辛いわたしの愚痴や嘆きを何度も聞いて頂き、非常に恩の有る方です。
飯沢さんはアラーキーこと荒木経惟氏の研究者としても知られております。アラーキーの写真について何点かお話したところ、着眼点が非常にわたしと近いといいますか、とても似たスケールでシビアかつストイックな審美眼をお持ちなんだな、と感じました。
また、同じくキノコ好きとして話の合うところが多く、短い時間ではお話し足りないことがいっぱいでした。
もう亡くなられてしまいましたが、植田正治さんという、鳥取出身の写真家がおられました。
鳥取砂丘の上にモノクロームで切り取られた世界はギリギリのテンションで画面構成されており、日本足りえないのではないかと思わせる不思議な世界を呈しています。
白昼夢、デジャヴ。
彼の作品にはそういった言葉が連想されます。
後から噂に聞くところによると、飯沢さんは植田正治の写真を高く評価しているとのことでしたので、これまた深く掘り下げたいな、と。
実家の父は写真もやっていまして、わたしが幼い頃は家の中に暗室がありました。
LIFEの写真集やらなにやら、書架には様々な本があり、わたしは土門拳の「筑豊のこどもたち」を何度も読み返していました。
大学に入ってから一眼レフを手にする機会があり、自分で現像も引き延ばしもやってみましたが、なんせ根気のいる作業です。
完全に父親っこだったわたしは、暗室に入る度に閉所恐怖症のPTSDと闘い、ニコンFE2のファインダーを覗けば、「もしこのファインダーを覗いているのがわたしではなく、父だったらどう撮るだろう」という考えが頭の中をグラグラ。
カメラを構えることが、次第に恐怖となってゆきました。
そのうち、腰を壊して手術をするはめとなり、リハビリやらなにやらをしているうちに、重たい一眼レフとも、撤退するフィルム産業とも疎遠になってゆきました。
そしてこの写真についてひとくせふたくせある父娘がメールで往復書簡をしたのですが、なかなかと激しくやり合っています。
あ、普通の家族はこういうやり取りをしないんですかね?
つづく。
二十歳の頃撮ったセルフポートレイト
怒りと悲しみに満ちたまま、自分でシャッターを押しました。
セルフヌードも撮りました。
この頃は学校に行くのもままならず引きこもってましたが、絵を描けないスランプの代わりだったのか、とにかく写真を撮ってました。
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日本にキノコブームが来る!はずです。
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まさかその後、この本の監修に携わったご本人と直接御会いできるとは思わず。