ゆめをみた
酷くうなされた。
復縁を迫られ続けられる夢。
何年も、何年も。
年老いてゆく自分を見た。
走馬灯のように人生のアルバムが開いた。
屈辱と疲労で乱された自分が泣いていた。
路上でフラッシュ、膝を抱えて丸くなっていた。
ハイソックスとミニスカート、茶色に染めたショートボブ。
無理矢理作った笑顔と泣きっ面。
あれ、21、2歳の自分じゃないか。
変わってないじゃないか。
また子供に還っていた。
焼けただれたように丸くなっていた。
涙も枯れ果てると顔から喜怒哀楽が消えた。
人間はそうやって自分の気配を消すのか、と思った。
写真の中の自分と、それを見ている夢の中の自分と、夢の中であると認識している覚醒状態の自分の箱入り構造、乖離。
合わせ鏡のように、マトリョーシカの永遠運動のように、原子と細胞と宇宙のように
どこまでも大きく包括してゆく不思議、そして哀しみ。
「あんたにだけは抱かれたくない」と泣いて突っぱねた。
何度も走って逃げた。
死ぬときは己のマルタを抱いて死にたいものだ。
どこの731部隊だ。
水晶体が曇らないうちに、世界中の色彩を知りたい。
色キチガイと言うと放送禁止になるのですか。
仕方ないので色情魔と名乗る。
やぁ、恥知らずな自分。
渋さ知らズ ならぬ 恥知らズ。
H∀JISHIR∀Z
言葉狩りでなくなるかもしれない言葉。
言葉の呪(しゅ)は難しい。