上京ものがたり
これはね、心の書だよ。
- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/11/01
- メディア: 単行本
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昔、友達が言ってた。
「世界にはこれだけの人間がいるのだから、作品を好きになってくれる人は必ず一人いる」
缶コーヒー一杯でずいぶん話したような気がする。
大人になった今は、誰かとの付き合いでアルコールを入れるけれど
アルコールを介在しなきゃ出て来ない言葉って、とっても弱虫だな。
いちばん辛かった、なにもできない時期にもらった言葉は
全部心の覚え書きでとってあるんだよ。
わたしは身長が少し高めなのがコンプレックスでした。
父親に育てられたせいか、声が低いのも。
だから小さくてかわいくて何を言っても許される感じの
コロコロした女の子が眩しくて苦手だった。
そういうのを気にしなくていい年格好になったんだな。
大人の人として背筋を張って凛としている方が気持ちいいです。
「30を超したら自分の顔に責任を持て」と
最近よく自分に言い聞かせています。
生まれつき全てが備わっている人なんていない。
何か才能、容姿、運に恵まれたとて、それが永遠に続くわけでもなかろうに。
立つ鳥跡を濁さず
卒業した高校の美術室を掃除したことを思い出す。
「ありがとう」をたくさん重ねて出て行った教室だった。