上京ものがたり

これはね、心の書だよ。

上京ものがたり

上京ものがたり

昔、友達が言ってた。
「世界にはこれだけの人間がいるのだから、作品を好きになってくれる人は必ず一人いる」

缶コーヒー一杯でずいぶん話したような気がする。

大人になった今は、誰かとの付き合いでアルコールを入れるけれど
アルコールを介在しなきゃ出て来ない言葉って、とっても弱虫だな。

いちばん辛かった、なにもできない時期にもらった言葉は
全部心の覚え書きでとってあるんだよ。

わたしは身長が少し高めなのがコンプレックスでした。
父親に育てられたせいか、声が低いのも。
だから小さくてかわいくて何を言っても許される感じの
コロコロした女の子が眩しくて苦手だった。

そういうのを気にしなくていい年格好になったんだな。
大人の人として背筋を張って凛としている方が気持ちいいです。

「30を超したら自分の顔に責任を持て」と
最近よく自分に言い聞かせています。

生まれつき全てが備わっている人なんていない。

何か才能、容姿、運に恵まれたとて、それが永遠に続くわけでもなかろうに。

立つ鳥跡を濁さず

卒業した高校の美術室を掃除したことを思い出す。

「ありがとう」をたくさん重ねて出て行った教室だった。