ゆめをみた
また、あそこに還ってた。
わたしの魂は何度あそこにいくんだろう。
五右衛門風呂の焚き口。
山椒の木。
全ての野良猫は派遣社員なんだって。
世田谷区の野良猫は、世田谷区に派遣されてるから
心配すんな、秘密だよ、って
段ボールの中に次々に入りながら
わたしにそう告げてくれた。
シャム猫。
ギイコかな、あれは。
田んぼと畑の間の用水路の向こうの向こうに
お金持ちのお庭があってさ
小道を通ってそこまで行けるんだよ、って
先頭のシャム猫。
わたし、潜ろうとした。
昔みたいに。
でもからだが大きくて入らないの。
ギイコちゃん
ギイコちゃん
初めてリードをつけてお散歩したとき
不自由にしてごめんね。
だれが捨てたんだろう
木に登ることも知らない家猫だったのに
立派にお外を駆け回って
絨毯で爪を研いで
お布団で一緒に寝た初めてのにゃんこ。
どこに行ったのギイコちゃん。
アップルヘッドのチョコレートポイント。