アウトサイダー伊藤若冲
どうにものどに小骨がささった気持ちの悪い感触が続く。
絵を描くのは苦しいし、音も受け付けない。
だからほっとするものを見つけに、図版を開く。
伊藤若冲。
もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品 (ABCアート・ビギナーズ・コレクション)
- 作者: 佐藤康宏
- 出版社/メーカー: 東京美術
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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このひとは、何が見えていたんだろう。
細胞の欠片と宇宙が、見えていたんじゃないかと、度々思う。
「動植倅絵(どうしょくさいえ)」という、自然界のものをモチーフに描いたもの、中でも貝への描写の執着。
雪。溶けかけた雪。
鳥、魚、蛸、白像、龍、野菜、虎。
あるもの、ないもの。
目に見えるもの、見えないもの。
あらゆる世界が分裂病的に
しかし画面の中に見事にめくるめく。