アウトサイダー伊藤若冲

どうにものどに小骨がささった気持ちの悪い感触が続く。
絵を描くのは苦しいし、音も受け付けない。
だからほっとするものを見つけに、図版を開く。

伊藤若冲

もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品 (ABCアート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品 (ABCアート・ビギナーズ・コレクション)

このひとは、何が見えていたんだろう。
細胞の欠片と宇宙が、見えていたんじゃないかと、度々思う。

「動植倅絵(どうしょくさいえ)」という、自然界のものをモチーフに描いたもの、中でも貝への描写の執着。
雪。溶けかけた雪。
鳥、魚、蛸、白像、龍、野菜、虎。

あるもの、ないもの。
目に見えるもの、見えないもの。

あらゆる世界が分裂病的に
しかし画面の中に見事にめくるめく。