ゆめをみた

・遠い遠い道をまっすぐ進む電車に乗っている。
進行方向、空が広く、まっさらな青。
グラデーション。
ふと脇を見やると、かなりの水深の用水路が碁盤の目状に広がっていた。
縦軸にも、横軸にも。
透明度の高い水が、青から黄の反射をさせながら、どうどうと流れていた。
どうやら湧き水らしく、途中で発見した源泉からはゴボゴボと勢いよく溢れ出していた。
遠くに山があった。
緑のない、岩だらけの山が、長江の川下りから見えるような背の高い山々がそびえていた。
シャツ一枚のまま、あの水に飛び込んだら泳げるかな、とか考える。

深い水はこわい。
高い空もこわい。
こわいけれど綺麗。
綺麗だと見ちゃう。

・デパートガールのSちゃんが旅行に行くというので駅で見送った。
仕事から帰ってすぐに列車に飛び乗った。
旅行カバンを、がんばってひとりで階段の上まで運んで、彼女が来るのを待ったんだった。
長期不在のため、駅の階段に構えていた彼女の部屋からはポスターもなにもかもなくなっていた。
やってきた列車の中はお祭り用の紙のぼんぼりや短冊で装飾がいっぱいしてあって、声をかけてきた黒人男性の旅行客とSちゃんは楽しそうにしゃべっていた。
いってらっしゃい。

・学校にいる。
S先生がいる。
帰りが遅くなって終電を逃す。困った。
「祖母の家がある北海道に一緒に行く?」と言われる。
飛行機か。
それは帰ると言うのだろうか。
せめて間をとって北関東や東北に人脈はないのかしら、と思うけれど
いさぎよく北端に誘われたことに嬉しさを覚える。
生徒会の事務などをこなす。
声をかけてもらったことがとにかく嬉しかったんだった。
なんだこの十代の少女のような胸キュンは。

・ドアいっこぶんくらいの大きさの黒いスピーカー。
メーカー名、わからない。
そこから流れる電子音楽のイベントがあるらしい。
イベントに誘っているのは
どうやら小さい頃に近所にいた2、3歳上のおねえさんらしいのだが、どうしても名前が思い出せない。
A山A子さん…でしたか?

・ギャラリー、個展、協賛としてZさんのブランドにタイアップをお願いする。
「DMにぼくも載せといてね。それで一気に集客だ」とくねくね接客。



目覚めたら幸福な気持ちになっていた。

みんな、ご出演、ありがとう。