ゆめをみた


夜の川の上を高架橋で移動してたら
イルカのような生き物が跳ねている
通り過ぎる時よくよく見たらイルカじゃなくてトド?
よく太ってて動くのがしんどそうなトドが、とことんけだるげに中州に数匹溜まっている。

プールの水を抜いたような箱形の部屋、コンクリの壁一面に電極
壁に垂直にトド一匹とヒト2人でセットになって寝床を作っているマトリックスのサナギ状のような寝床
マザーボードよろしく一面がコンセントになっているので、ひとつの寝所につきピンク、キミドリ、ブルーのゼムクリップを一組みずつ刺して通電させてゆく


床には牛のような頭部の骨が転がってて
中を割ったら骨で
その中もまた骨で
入れ子構造に骨で骨でどこまでも骨だった

「山陰の山中で見つかったんだよ」、と言われたけれど人造物のような気がした。地方活性化のための特産品かもしれなかった。あるいは。


スクエアの中庭を持ったノビ太の家のような日本の家屋が取り囲む二階建ての家に住んでいた。
命の危険を感じて敵の姿もわからず逃げ惑った
中庭に機関銃を隠している異分子がその家のエプロン母さんだとわかったとき
家出を決行することを決意した。

二階の屋根によじのぼってゆらりと飛んで、根無し草になってタンポポの綿毛になって虫になって風になってどこまでも飛んで行った。

浜辺につくと父子ふたりの嘘つき家族がいて
老いた父はその場かぎりの嘘を、子は緩やかにジワジワと続く嘘をつくのだった。
父の嘘は「このカレーのルーは甘い、熱くない」、なんていう他愛もないものだったけれど、誰かの心を瞬時に動かすことは大の得意だった。


板書がうまく書き取れないノートを抱えて途方に暮れる。日本史。
書けども書けども鉛筆はすぐにちびて文字は太くなり紙面は黒く汚れ
ああ、こんなときのためにシャーペンが要るんだな、と実感。
前の席のOちゃんに38番の記述を見せてくれるように頼むが、ノートにはメモしておらず、いわゆるアンチョコ本をそのままよこしてきた。
教師は歴史の大筋をグランドピアノでKちゃんに弾かせて授業とし、
譜面に落とせない、聞き取れないわたしは絶望に近い何かを感じて我慢ならず再び教室を飛び出す。
こんなんじゃ微塵も勉強にならないじゃないかと憤懣やるかたない表情で悪態をつきつつ走って帰宅。
家には姉の幼少期の絵があって、どこをどうとってもわたしより絵を描くのが好きなのである。
それもまた絶望に近い何かの気持ちになって
好きなことを本業や義務にしたらどれだけしんどいことか、などと思い始めるので、、、本当はお話がしたいんだよ。

__

現実世界では余命の差し迫った親戚がまた現れ、命のサイクルで順番に果てたり生まれたりするのだなあとぼんやり思ったりもするのだけれど
自分が一社会構成員としてそこに参加できてるのか実感がないや。
本体がなくても乞うる気持ちってそういうものかとガラスの仮面の新刊を読みながら思う。

無気力無欲すぎて弱っていたけれど買い物一件、リバース一回、
気持ちの低迷はどうあれからだは生きている。

時間薬じゃなくて日にち薬だったな、と表現を訂正のこと。