おまえの哀しみに共感なぞしてやるものか
- 作者: 村上春樹
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映画化もされたことだし、復習しておくかと思って久々に読んだ。
いろんなものが無理だった。
主人公、射精してばっかり。
自分勝手で、すごくずるいよね、って思った。
いくつかの描写と、病床の緑のお父さんがキウリを欲しがるシーンは好き。
春樹ワールドに入るには、空気抵抗をなくして、ヨーグルトレーズンみたいな殻をかむって外界と感覚を遮断しなくちゃならない。
そこまでいきつくのが難しいし、得意ではない。
読後はこんな稚拙な読書感想文しか書けない。
素直な気持ちでビートルズを聴けない。
ちょっとした苦行なのだ。
おまえの哀しみに共感なぞしてやるものか
サリンジャーだってそう。
「うん、それちょうわかる!」なんて簡単に言っちゃいけない。われわれは理不尽な生に対してなんにも共有してないし理解もしてない。
わかったふりをすることの、途方もなく無邪気な侮蔑の姿勢とか。
そんなことを思う。