モラン
夢にモランみたいな白い生き物が出て来た。
空の上で行き場をなくしてうろうろしてた。
モランって、ムーミンの童話に出てくる生き物です。
誰にも優しくされなくて底なしに孤独なモランのことを考えると悲しくなる。
現実って、薄ら寒い、よくわからない、理解できないものを畏怖しながら生きてるんだな、と。アニメの楽しい常春の地ではなく、原作のムーミン谷のように。
「ムーミン童話とはなにか?」
http://www.hico.jp/sakuhinn/7ma/mu01.htm
ここを読んでると、モランっていうのは、懐の広い誰でもウェルカムな(と思われている)ムーミンママからも見放された存在なのね。
ムーミントロールたちと同じ生き物というより、自然界にひそむ恐怖とか厳しくて冬眠して耐え抜かなくちゃいけない冬とか、そういう存在なのかもしれない。
大きな害はなく、ただ不気味。ゆえに怖れられ、避けられ。
そういうもんだと大人から教わり。
避けられる本人の気持ちなんか無視してさ。
「こうして無理解から差別が生まれる」、なんて書いちゃうといかにも無粋な表現なのだけれど、
震災後の日本の状況と照らし合わせると、放射能とか原発とか福島が、モランの存在と被って見える。
モランやニョロニョロは、なんのために登場させたんだろうなあ、ヤンソンさん。
なんのために、なんてのもなくてよいのだけれど。
世の中に「なんのために生きてるのか」を考えると答えが出なくて卒倒したくなるような動物や植物はたくさんいる。
”自分”なんて、その最たるもんだ。
モランっぽい独居老人は地域に何人かいた気がするし
フィリフヨンカみたいな親戚のおばさんもいる
近所に住んでたおじさんのことは、スキーで闊歩する冬向けのヘムレンさんみたいだと思ってた
スナフキンに憧れる人間をあまり好きになれない
言動がいつも容赦ないチビのミイが好きだ
ムーミンの世界の住人は、人間じゃないのにいかにも人間らしい。
個を生きているなあ、と感じるのです。
この小説、好きだった。
- 作者: トーベ・ヤンソン,Tove Jansson,冨原眞弓
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これも手元にある。
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わたし元気になったら
フィンランドと、ピーターラビットのイギリスの湖水地方に行くんだ。
小学校3年から夢だったんだもの。
と自分に言い聞かせ。
周りの元気な人が元気にでかけるのを見ると、いつも辛くなったもんだ。
モランの孤独を考えて不眠になるかと思ったけれど
友達からメールが来てて
自分はぜんぜん底なしの孤独にいるわけじゃないと思い直した。
でも気づくと
自分はこのままでちっとも元気になれないんじゃないかっていう不安と戦ってる。
ぐるぐる。
この世の終わりにおびえるフィリフヨンカのことを笑えない状況なのだけれど、なにかヒントがあるかもしれないと思ってもう一度読んでみることにする。
水害、嵐、彗星の接近、凍てつく冬。
そういえば、ムーミンの世界と同じく日本も災害国だね。