邂逅

定期検診のために上京してきた。

経過は変わらず。

主治医に、
「初診から十年経ちましたよ」
と告げると少し遠い目をされた。
初診、執刀、その後もずっとお世話になってきた。入院中に仲良くなった看護士さんたちは病棟を去った。当時若手だった主治医も、一線を退いたか、わたしよりずいぶん若い研修医の指導に当たっている。
10年というサイクルをじんわりと感じる。

そして、
「卒業だ。」
と返事が来る。
「異常があったらまた来なさい。」
とのこと。

次にお会いするのが何十年か先になりますよう。先生もお元気で。

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会いたい方が何人も居て、急に思いついて個別に会ったり、初めて飲み会を主催したり。震災後、初の東日本。
大人になって出来たともだち。
好きなひとたちの変わらない良さがキュウキュウする。
離れてお互いの時間を過ごして来たことを確認したり。
能動的だったり、絶望しなかったり、年月を経てわかる経験は、貴重で素敵なことだよね。

優しくて緩い時間が流れた。

また会いたいね、また遊んでね、初めましてだね、次回呼ぶね、きっと会おうね。

永眠された方に、ありがとう。

喪って、だれかが愛された記憶を確認する作業なのかな。

世界は今日も廻っています。