ゆめをみた
幾奥もの命が一瞬に消えた場所で遊んでた。
そこはモルタルかセメントブロックの塀をパステルカラーのペンキで塗りたくってあって、よじ登ったり、てっぺんで体をくの字にして手足を遊ばせたりできるのだった。
わたしには幼なじみの女の子が二人いるのだけれど、気配だけ。気配だけ感じた。
消えた人たちも一緒に遊んでいる気配だけ。気配を感じた。
年若く、体ごと消える命っていうのは原爆しか思い浮かばない。
髪も骨も残らない代わりに、念を残してゆくのかな。
大きな滝の前にいた。
滝はほとんど枯れていて、裏側にも観光客がきゃっきゃと入り込んでははしゃいでいた。
どこかで見た風景だ、と視点をクイと後ろに引けば(グーグルマップのように)、ナイアガラの滝だった。
土産物屋には靴しかなくて、ヒール8センチくらいのウェッジソールのサンダルを履く。
鏡に映るホットパンツから伸びた生脚が長く見えすぎて恥ずかしくなったので、すぐに脱いだ。
帰ろうとして自転車に乗ると、ハンドルが縦とも横ともつかぬ方向だった。
だれかが高山列車で雪山に登っていた。