ゆめをみた

・青空予備校につっこまれる。
わたしはひとり、高校1年だった。
平成生まれの高3はセルフレームの優等生ばかり。
講師は33歳くらいのニット帽男子、両耳あたりに犬のように長い毛束、脱色してプラチナブロンドになった長髪に銀メッシュ。
筆記用具を何も持っていなかったので隣の席の男子に借りる。

・犬ゾリに乗る。空飛ぶ犬ゾリ。4頭。
もこもこぽよりん。

ピクサーフィルムばりのCGアニメーション世界で、ネズミの悪口を言うのは御法度、不文律、居心地の悪い風切り空中移動。

・兄の友人を語るメキシカンジャパニーズに気に入られる。
「何が興味をひいたの?」って聞いたら
「初めて見た時に髪が奇麗で、触ってみたくなった」とのこと。
そんなくどかれかた、初めて。
でもあんた、わたしのタイプじゃない。

ヒトはこうやって、なんとなくそばにいるひととくっついて添い遂げるのか、などと思ったら高校の同級生の顔が浮かんだ。
雪のように白くかぼそい女の子。あ、あ、おかあさんになるんだ?

・ダディが来たわよ、と白人女子に言われて宝塚ばりの狭い階段を優雅に駆け下りる。
わたしの父はヒゲをたくわえた笑顔の外国人らしい。
ハグとキス、家族のそれ。

・視野がすべて映画のフィルムでまわってる。
16:9のパノラマ、若干広角気味。
ローマの通り。バチカン
美しい町並み、美しい衣装の人々、白いリネンのワンピースを着た5人姉妹が群衆の中に溶け込む、帰還、そして歓喜の声。
記念写真のひとつも撮ろうとしない、の?

カチンコが鳴って素に戻ったとき、なぜか東洋人女性役で出演していた母をみつける。
白いアオザイクレオパトラみたいな漆黒の姫カットカツラ、真っ赤なルージュ。
さっきまで女優然として似合ってたのに、終焉と同時に普通のおかんの顔。

共演のリチャード・ギアの横にて西国のおかんっぷりを遺憾なく発揮。

スクール水着の下に砂がいっぱい入ってしまって気持ち悪かったのでお風呂で流そうとする。
更衣室はだだっぴろい銭湯、コンビニのおでんのように区切られたおおきな湯船に裸の人間がぎっしり詰まっている。
一番手前がよく汚れていたので、まずそこで砂を落としてみようかと思ったら、坊主頭の宇宙人みたいな男性ののっぺら坊集団がぎっしり詰まってて「ひい」と思い、三つほど先の湯船にする。